ご修了おめでとうございます
木々の芽もほんのり桃色になり、季節が変わり始めています。凛とした表情のお友だちを 優しく包んでくれる春が訪れています。
本日は、公私共にお忙しいところ、お越しいただきましたご来賓の皆様方、ご臨席を賜り、ありがとうございます。
さて、13名のお友だち、ご修了おめでとうございます。皆さんが保育証書を受け取る姿を見ながら、お友だちの今までの様子を思い返していました。先生とシャボン玉遊びをしていた事。藹藹会で芋ほりをさせていただいた事。幼稚園のうんていに挑戦していた事。沢山経験し成長しましたね。そして今日は、4月に小学生になるお友だちに、はなむけのお話をしましょう。
保育園の階段に飾ってある、日本のお化けが大好きなフランス人の2人組アトリエ・セントーさんが描いた宮崎駿監督の絵をお友だちは見ているでしょう。その監督の作った映画「君たちはどう生きるか」が、丁度1年前、アメリカのアカデミー賞で、長編アニメーション賞を受賞しました。誇らしかったですね。実はこの映画の中の飛行機製作工場のモデルは鹿沼にあったようで、監督は、小学3年生まで宇都宮に住んでいたそうです。その家は、宇都宮大空襲でも焼けずに残っていて、今はギャラリーとして使われています。それを聞いた監督は、こんなコメントを出しています。
「自分にはとても大切な場所です。あの家と庭の光と影がぼくの何かを形成してくれたのだと思っています。いつか訪ねてみたいですね。宮崎駿」
その後、一人でギャラリーの家を訪ねてきて、嬉しそうに当時の思い出を話していったそうです。小さい頃の経験や記憶が、映画の原動力になっていたという事でしょうか。
所で、お友だちは、監督が作った「となりのトトロ」という映画は知っているかな? サツキとメイという姉妹の話ですが、実は、宇都宮市の花がサツキで、2人が引っ越してきた家の急な階段もギャラリーの家の階段に良く似ています。その映画は、明るく生き生きとした描写で、見ている私たちも、感動し胸が温かくなりました。監督が、どんなに小さい頃の経験を大事に大切に考えて、作ったかが わかりました。これは、お友だちにとっても同じですよ。今の楽しかった経験、大変だった事、全てがお友だちの栄養になっていきます。大切に心に刻んでいってくださいね。その中で、仲間ができたでしょう。仲間がいれば励まして、向上していけます。是非、一緒に未来を目指していってください。
改めまして保護者の皆様、本日は、お子様のご修了、職員一同、心からお祝い申し上げます。また、これまで本園の保育活動にご理解とご協力をいただき、ありがとうございました。
さあ、お友だち、これからは小学生です。希望と目標をもって、堂々と進んでいきましょう。時々、大きくなった豊かな顔を見せに来てくださいね。いつでもお友だちを応援しています。
令和七年三月八日
ハートフルナーサリー 園長 山村 友里